神奈川大学附属中学・高校の英語 その2
神奈川大学附属中学・高校の英語 その2
~シリーズ「私立中学・高校の英語はどう変わるか 第3回」~
keyはタブレット
神奈川大学附属中学・高校では、具体的にどのような英語教育をしているのでしょうか?
いや、これからしていく、どう変わっていくかと言った方が近いでしょう。
それを探るKeyはタブレットです。下が同校で導入したタブレット教育の紹介パンフです。タブレットは英語科目だけで使うものではありません。ここでは英語科目でどう使われるのかをレポートします。
このタブレットは生徒の家庭すべてに購入してもらう必要があるものです。10万円くらいするため、全ての生徒のご家庭に購入してもらうのは大変だったようです。それでも導入できたのは、先生たちの熱意がご家庭を動かしたということでしょう。
タブレットで何をどう進めるか
ここでは3つ紹介したいと思います。
1.ディクテーション
タブレットから流れる英語を記述します。ここまでは普通のディクテーションです。
でも、タブレットに書き込むわけですから紙は使いません。そして直ちに先生に送ることができます。
先生からは、その内容について個別指導が行われます。もちろんタブレットで先生から個別指導が送られてくる訳です。先生も即座に個別指導を生徒に送ることができるわけです。このディクテーション指導はピッチが上がります。先生に紙で出して、忘れたころに戻ってくるような指導はもう昔の話です。
2.例文暗唱
英文法などの学習の際、例文をたくさん、そして何度も読ませたい先生はたくさんいるでしょう。授業で読ませる時間は限られているので宿題です。でも、これまでは宿題を出して終りでした。宿題を検証する方法がなかったのです。
タブレットを使うと宿題の検証ができます。先生は生徒に音読練習の録音データを送らせるだけです。先生は確認すればいいだけです。簡単です。何度でも宿題にできます。さらに、先生は生徒一人ひとりに発音まで個別指導できるのです。驚きです。
3.英作文
英作文もタブレットでできます。ディクテーション同様、先生とのやりとりのピッチが上がり効果は大きいです。きっとどんどん進む、あるは大量に演習する感じになるでしょう。
先生からの補足
神奈川大学附属中学・高校がこのタブレットを導入したのはごく最近のことであって、上記のような取り組みを始めてはいるが、効果の検証と取り組みの方向はまだまだ検討段階にあるとお話がありました。
私はこのような先端的な取り組みが今後の英語教育を大きく変えていくだろうと考えています。2020年度の入試英語の大改革は、一部国立大学の導入方針をめぐって二転三転していますが、動き出した改革はもう止められないでしょう。なにしろ、教育現場が大きく変わろうとしているのですから。
神奈川大学附属中学・高校の英語教育が今後どのような展開になるのか、私は今後も大注目です。インタビューに応じて頂いた先生、ありがとうございました。是非、また取材させてください。